普通建物賃貸借契約(定期建物賃貸借契約でない建物賃貸借契約をいう。以下、各問において同じ。)における賃料増減額請求に関する次の記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。 ア 賃貸借契約の貸主の地位を複数の貸主が共に有する場合(ただし、各貸主の持分は相等しいものとする。)、各貸主は単独で賃料増額請求権を行使することができる。 イ 貸主から賃料増額請求を受けた借主は、賃料増額に関する裁判が確定するまでの間、増額された賃料を支払わなければならない。 ウ 借主から賃料減額請求を受けた貸主は、賃料減額に関する裁判が確定するまでは、従前の賃料の支払を請求することができる。 エ 貸主の賃料増額請求権を一定期間排除する特約は有効である。 1 ア、イ 2 イ、ウ 3 ア、エ 4 ウ、エ |
ア:×(不適切である) 民法上、共有物の管理に関する事項は、共有持分の過半数で決するとされています。そして、貸主が複数の場合の賃料増額請求権の行使については、共有物の管理に関する事項に当たるとされています。 そのため、持分の過半数がなければ賃料増額請求権の行使をすることができません。 アは、「単独で賃料増額請求権を行使することができる」となっている部分が誤りです。 ※ テキスト+問題集P256「(4)賃料増減請求権の行使」参照。 |
イ:×(不適切である) 貸主から賃料増額請求を受けた借主は、賃料増額に関する裁判が確定するまでの間、相当と認める額の賃料を支払うことで足ります。 イは、「増額された賃料を支払わなければならない」となっている部分が誤りです。 ※ テキスト+問題集P255「これとは反対に~」部分をを参照。 |
ウ:○(適切である) 借主から賃料「減額」請求を受けた貸主は、賃料減額に関する裁判が確定するまでは、相当と認める額の賃料(従前の賃料)の支払を請求することができます。 ※ テキスト+問題集P254「(2)賃料増減額請求と裁判確定後」参照。 |
エ:○(適切である) 貸主の賃料増額請求権を一定期間排除する特約は有効です。 ※ テキスト+問題集P256「(1)賃料を増額しない旨の特約」参照。 |