賃貸人AがBに管理を委託しCに賃貸する管理受託方式と、AがBに賃貸し、BがAの承諾を得てCに転貸するサブリース方式の異同に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。 ア BのCに対する立退交渉は、管理受託方式もサブリース方式もいずれも弁護士法に抵触し違法となるおそれがある。 イ Cの善管注意義務違反により賃貸物件が毀損したときは、管理受託方式の場合、BはAに対して損害賠償責任を負うが、サブリース方式の場合、BはAに損害賠償責任を負わない。 ウ Cが賃借する契約が終了し、Cに対して建物明渡請求訴訟を提起する場合は、管理受託方式の場合はAが原告となり、サブリース方式の場合はBが原告となる。 エ AB間の契約について、管理受託方式の場合は借地借家法の適用はなく、サブリース方式の場合は借地借家法の適用がある。 1 ア、イ 2 ア、ウ 3 イ、ウ 4 ウ、エ |
ア:×(誤っている) 管理受託方式の場合、管理業者による立退交渉は弁護士法に抵触し違法となるおそれがあります。 一方、サブリース方式の場合、管理業者が契約当事者(賃貸人)として管理業務を行うため、サブリース方式の場合の立退交渉は弁護士法に抵触し違法となるおそれはありません。 ※ テキスト+問題集P268「A弁護士法との関係」参照。 |
イ:×(誤っている) 管理受託方式の場合、賃貸借契約の当事者はAとCであり、Bは契約当事者ではありません。そのため、Cの善管注意義務違反により賃貸物件が毀損した場合、BはAに対して損害賠償責任を負いません。 一方、サブリース方式の場合、転貸人Bは、自己の履行補助者である転貸人Cの保管義務違反について、Aに対して損害賠償責任を負います。 ※ テキスト+問題集P36「▼管理受託方式の賃貸住宅経営」、及びP205「(1)転借人の行為に対する転貸人の責任」参照。 |
ウ:○(正しい) 転貸借契約が終了し、転借人Cに対して建物明渡請求訴訟を提起する場合は、管理受託方式の場合は原賃貸人Aが原告となり、サブリース方式の場合は転貸人Bが原告となります。 ※ テキスト+問題集P268「A弁護士法との関係」参照。 |
エ:○(正しい) 管理受託方式の場合、AB間の契約は賃貸借契約ではないため、借地借家法の適用はありません。 一方、サブリース方式の場合、AB間の契約は建物賃貸借契約であるため、借地借家法の適用があります。 ※ テキスト+問題集P36「▼管理受託方式の賃貸住宅経営」「▼サブリース方式の賃貸住宅経営」、及びP100「(1)サブリース方式の仕組み」参照。 |