破産と賃貸借に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 1 借主につき破産手続の開始が決定され、破産管財人が選任されると、賃主が賃料の支払を催告する相手方は、破産管財人となる。 2 借主につき破産手続の開始が決定され、破産管財人が選任された場合、破産管財人は、賃貸借契約を解除することができる。 3 借主につき破産手続の開始が決定されたことは、民法上は、貸主が賃貸借契約を解除する理由にならない。 4 貸主につき破産手続の開始が決定され、破産管財人が選任されると、借主は預け入れている敷金の額まで賃料の支払いを拒むことができる。 |
1:○(正しい) 破産手続の開始が決定されると、破産財団の管理処分権は破産管財人に専属します。よって、賃主が賃料の支払を催告する相手方は、破産管財人となります。 ※ テキスト+問題集P216「@破産手続の概要」参照。 |
2:○(正しい) 双務契約(例:賃貸借契約)において、破産者及びその相手方が破産手続開始決定当時、未だともにその履行を完了していなければ、破産管財人は、契約の解除または履行のいずれかを選択することができます。 ※ テキスト+問題集P217「(3)賃貸借の終了」参照。 |
3:○(正しい) 賃借人につき破産手続の開始が決定されたことは、民法上は、賃貸借契約を解除する理由になりません。 ※ テキスト+問題集P216「(1)破産と解除・解約申入れ」参照。 |
4:×(誤っている) 敷金の返還請求権を有する者が、破産者である賃貸人に対する賃料債務を弁済する場合、後に相殺をするため、その債権額の限度において弁済額の寄託を請求することができます。もっとも、賃貸人が破産手続開始の決定を受けた場合であっても、賃借人は賃料の支払いを拒むことはできません。 ※ テキスト+問題集P217「(1)敷金返還請求権」参照。 |