抵当権が設定されている建物の抵当権が実行された場合の、建物賃貸借に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア 競売で買受人が建物を競落した場合、抵当権の実行前に賃貸借契約が締結され引渡しを受けていれば、賃借人は買受人に賃借権を対抗することができる。 イ 競売で建物を競落した買受人に賃借権を対抗できる場合、賃借人は、買受けの時から6か月を経過するまでは、建物の明渡しを猶予される。 ウ 競落した建物に、買受人に賃借権を対抗できない建物使用者がある場合、買受人は、建物使用者に対して、買受けの時より後に建物の使用をしたことの対価を請求できる。 1 なし 2 1つ 3 2つ 4 3つ |
ア:×(誤っている) 競売で買受人が建物を競落した場合、抵当権の設定登記前に賃貸借契約が締結され引渡しを受けていれば、賃借人は買受人に賃借権を対抗することができます。 本肢は、「抵当権の実行前」となっている部分が誤りです。 ※ テキスト+問題集P209「A抵当権実行による所有権移転」の「(1)借主が先に建物の引渡しを受けた場合」参照。 |
イ:×(誤っている) 競売で建物を競落した買受人に賃借権を対抗できる場合、賃借人は建物を明け渡す必要はありません。 ※ テキスト+問題集P209「A抵当権実行による所有権移転」の「(1)借主が先に建物の引渡しを受けた場合」参照。 |
ウ:○(正しい) 抵当権者に対抗することができない賃貸借により、抵当権の目的である建物の使用収益をする者は、その建物の競売における買受人の買受けの時から6か月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しません(引渡し猶予)。もっとも、引渡しが猶予された場合でも、買受人は、建物使用者に対して、買受けの時より後に建物の使用をしたことの対価を請求することができます。 ※ テキスト+問題集P210「(2)先に抵当権設定登記がなされた場合」参照。 |