賃料の増減額請求に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 普通建物賃貸借契約の約定に「賃料の増減は協議による」との記載があった場合、協議を経なければ、貸主は借主に対し、借地借家法上の賃料増額請求をすることはできない。 2 貸主が賃料の増額を請求し借主がこれを拒んだが、貸主の請求を認めた裁判が確定した場合、借主が賃料の不足額を支払うにあたり、特約がないときは、年1割の割合による支払期後の利息を付加しなければならない。 3 定期建物賃貸借契約の締結にあたり、「契約期間中に如何なる理由が生じても賃料の減額はできないものとする」といった特約は無効である。 4 借主が賃料の減額を請求し貸主がこれを拒んだが、借主の請求を認めた裁判が確定した場合、貸主が受け取った賃料の過払額を返還するにあたり、民法の定める法定利率による利息を付加しなければならない。 |
1:×(誤っている) 建物の賃料が不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、契約当事者は賃料額の増減を請求することができます。 よって、普通建物賃貸借契約の約定に「賃料の増減は協議による」との記載があった場合であっても、協議を経ることなく、貸主は借主に対し、借地借家法上の賃料増額請求をすることができます。 ※ テキスト+問題集P256「(3)賃料改定を協議に行う旨の特約」参照。 |
2:○(正しい) 貸主が賃料の増額を請求し借主がこれを拒んだが、貸主の請求を認めた裁判が確定した場合、借主が賃料の不足額を支払うにあたり、特約がないときは、年1割の割合による支払期後の利息を付加しなければならない。 ※ テキスト+問題集P255の「これとは反対に、借主から賃料の「増額」請求を受けた借主は〜」以下を参照。 |
3:×(誤っている) 定期建物賃貸借契約においては、賃料改定について特約がある場合、借地借家法上の賃料増減額請求の規定の適用は排除されます。そのため、定期建物賃貸借契約では、賃料を減額しない旨の特約も有効です。 よって、期建物賃貸借契約の締結にあたり、「契約期間中に如何なる理由が生じても賃料の減額はできないものとする」といった特約は有効です。 ※ テキスト+問題集P256「(1)定期建物賃貸借契約の場合」参照。 |
4:×(誤っている) 借主が賃料の減額を請求し貸主がこれを拒んだが、借主の請求を認めた裁判が確定した場合、貸主が受け取った賃料の過払額を返還するにあたり、年1割の割合による受領時からの利息を付加しなければなりません。 よって、本肢は、「民法の定める法定利率による」となっている部分が誤りです。 ※ テキスト+問題集P254「(1)賃料増減請求と裁判確定後」を参照。 ※ なお、民法の定める法定利率は年3%です。 |