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賃貸不動産経営管理士試験の傾向と対策、過去問解説 

令和3年度賃貸不動産経営管理士試験問題

問35


 特定転貸事業者の貸主への報告に関する次の記述のうち、特定賃貸借標準契約書によれば最も適切なものはどれか。ただし、特約はないものとする。

1 貸主との合意に基づき定めた期日において、賃貸住宅の維持保全の実施状況や転貸条件の遵守状況、転借人からの転借料の収納状況について、貸主に対し書面を交付して定期報告を行わなければならない。

2 貸主は、借主との合意に基づき定めた期日以外であっても、必要があると認めるときは、借主に対し、維持保全の実施状況に関して報告を求めることができる。

3 修繕を必要とする箇所を発見した場合、それが緊急を要する状況ではなかったときには、定期報告において貸主に書面を交付して報告を行うことができる。

4 自然災害が発生し緊急に修繕を行う必要が生じたため、貸主の承認を受ける時間的な余裕がなく、承認を受けずに当該業務を実施したときは、貸主への報告をする必要はない。

問35解説


「特定賃貸借標準契約書」に関する問題です。
テキスト+問題集のP146・P147参照)


1:×(不適切)
 特定賃貸借標準契約書によれば、借主は、貸主と合意に基づき定めた期日に、貸主と合意した頻度に基づき定期に、貸主に対し、維持保全の実施状況の報告をしなければなりません(定期報告)。この報告は、書面により行うことは求められていません

※ テキスト+問題集P147「特定賃貸借標準契約書」第13条第1項参照。

2:○(適切)
 特定賃貸借標準契約書によれば、定期報告のほか、貸主は、必要があると認めるときは、借主に対し、維持保全の実施状況に関して報告を求めることができます。

※ テキスト+問題集P147「特定賃貸借標準契約書」第13条第2項参照。

3:×(不適切)
 特定賃貸借標準契約書によれば、借主は、修繕が必要な箇所を発見した場合には、その旨を「速やかに」貸主に通知し、修繕の必要性を協議しなければなりません。それが緊急を要する状況ではなかったときであっても、速やかな通知は必要です。したがって、「定期報告において貸主に書面を交付して報告を行うことができる」とする本肢は、誤りです。

※ テキスト+問題集P146「特定賃貸借標準契約書」第11条第5項参照。

4:×(不適切)
 特定賃貸借標準契約書によれば、借主は、災害又は事故等の事由により、緊急に行う必要がある業務で、貸主の承認を受ける時間的な余裕がないものについては、貸主の承認を受けないで実施することができます。この場合において、借主は、速やかに書面をもってその業務の内容及びその実施に要した費用の額を貸主に通知しなければなりません。
 本肢は、「貸主への報告をする必要はない」としている部分が誤りです。

※ テキスト+問題集P146「特定賃貸借標準契約書」第11条第7項参照。


正解  2


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