賃貸不動産経営管理士試験の傾向と対策、過去問解説　

問11解説

「原状回復ガイドライン」に関する問題です。
（テキスト＋問題集のP363・364、P360参照）

＜試験実施団体のコメント＞
「多くの方からご指摘をいただいております当試験の問11につきましては、当協議会の試験委員会において検討した結果、選択肢１〜３が明確に誤りであることから、４を正解として扱うこととしたものです。今後、関係者の誤解を招かないよう、細心の注意を払い、試験問題の作成に努めてまいります。」

１：×（不適切） 　補修工事が最低限可能な施工単位を基本とします。いわゆる模様合わせや色合わせについては、借主の負担とはしません。 ※　テキスト＋問題集P363「(1)基本的な考え方」参照。

２：×（不適切） 　喫煙等により「当該居室全体」においてクロス等がヤニで変色したり臭いが付着した場合のみ、当該居室全体のクリーニングまたは張替費用を賃借人負担とすることが妥当です。 　本肢のように、クロスの「一部」が変色した場合に、居室全体のクリーニング又は張替費用を借主の負担とすることは妥当ではありません。 ※　テキスト＋問題集P364の表「▼借主の負担単位と経過年数等の考慮」の「壁（クロス）」の欄を参照。

３：×（不適切） 　畳の補修は原則１枚単位としますが、毀損等が複数枚にわたる場合は、その枚数（裏返しか表替えかは毀損の程度による）が、借主の負担となります。 ※　テキスト＋問題集P364の表「▼借主の負担単位と経過年数等の考慮」の「壁（クロス）」の欄を参照。

４：○（適切） 　鍵のシリンダーの交換費用は、原則として貸主の負担です。ただし、借主が鍵の紛失または破損による取替え費用は、借主の負担です。 　なお、鍵を紛失した場合だけではなく、借主が破損した場合にも借主の負担となるため、本肢が「紛失した場合に限り」としている点に疑義が生じました。本来であれば、選択肢4は、「不適切」（×：誤り）な内容の選択肢です。 　選択肢１〜３が明確に誤りであることから、実際の試験本番では４を正解として解答するしかありません。 ※　テキスト＋問題集P360の表「▼貸主・借主の修繕分担表」 　「借主の負担となるもの」の【設備、その他】の4参照。

正解 　４