令和3年10月1日に締結された、賃貸住宅を目的とする賃貸借契約の借主の義務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1 大地震により賃貸住宅の一部が倒壊し、契約の目的を達することができなくなった場合、賃貸借契約は終了し、借主の賃料支払義務は消滅する。 2 大地震により賃貸住宅の一部が滅失した場合(ただし、契約の目的を達することは未だできるものとする。)、借主が賃料の減額請求をすることで賃料は減額される。 3 賃料債権が差し押さえられた場合、借主は賃料を貸主に支払ったとしてもそのことを差押債権者に通知すれば、差押債権者から取立てを受けず、以後賃料の支払を免れることができる。 4 賃料債権は、時効期間が経過しても消滅時効を援用する旨の意思表示がなければ消滅しない。 |
1:×(不適切) 賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができます。 したがって、賃貸住宅の一部が倒壊し、契約の目的を達することができなくなった場合、当然に賃貸借契約は終了するわけではなく、また賃料支払義務が消滅するわけでもありません。 ※ テキスト+問題集P191の1行目〜3行目を参照。 |
2:×(不適切) 賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額されます。これは、減額請求がなくても、法律上当然に減額されます。 本誌は、「借主が賃料の減額請求をすることで」としている部分が誤りです。 ※ テキスト+問題集P190の※印を参照。 |
3:×(不適切) 賃料債権が差し押さえられた場合、借主は、賃料を貸主に支払うことが禁止されます。賃料債権が差し押さえられた後に賃料を貸主に支払った場合において、差押債権者から取立てがあったときは、借主は、その取立てに応じなければなりません。 ※ テキスト+問題集P252「B差押えと賃料支払い」参照。 |
4:○(適切) 債権は、時効期間が経過しても消滅時効を援用する旨の意思表示がなければ消滅しません。 ※ テキスト+問題集P251の5行目〜8行目を参照。 |