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賃貸不動産経営管理士試験の傾向と対策、過去問解説 

平成27年度賃貸不動産経営管理士試験問題

問16


 AがBに対してマンションの一室を賃貸している場合に関する次 の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 AはBに対して賃料の値上げを求めており、Bがこれに応じない場合に、Bが賃貸借契約で定められた賃料を支払ったところ、Aが受領を拒絶した場 合、Bの賃料支払義務は消滅する。

2 AはBに対して賃料の値上げを求めており、Bがこれに応じない場合に、BはAの親戚から、Aは値上げ後の賃料でなければ以後受領しないかもしれないと考えているようであることを聞いた。この場合、Bは賃料の支払をせずとも、債務不履行責任を免れることができる。

3 AB間で賃料に関する紛争が生じており、Bが賃料を供託した場合において、Aは、Bの承諾を得たときに限り、供託された賃料相当額を受領することができる。

4 Aが死亡し、CがAの相続人と称してBに対して賃料を請求した場合、B は、Cが相続人であるかどうか明らかでないことを理由に賃料を供託することができる。

問16解説


「賃料の支払い(供託、債務不履行)」に関する問題です。
テキスト+問題集のP251・252参照)

※ 賃料の支払いについては、貸主が債権者であり、借主は債務者です。


 1:×(不適切である)
 債権者である貸主Aが受領を拒絶した場合、借主Bは供託をすることができますが、Bの賃料支払義務は消滅しません

※ テキスト+問題集P251「(1)供託の効果と供託原因」参照。

 2:×(不適切である)
 債務者Bは弁済の提供(賃料の支払い)をしなければ、債務不履行責任を免れることはできません。

※ テキスト+問題集P251「(1)供託の効果と供託原因」参照。

 3:×(不適切である)
 債権者である貸主Aは、債務者である借主Bの承諾を得なくても、供託された賃料相当額を受領することができます。

※ テキスト+問題集P252「(2)供託後の手続き」参照。

 4:○(適切である)
 債務者が過失なく債権者を確知することができない場合(債権者不確知)、債務者は供託をすることができるとされています。
 貸主(賃料の支払についての債権者)Aの相続人と称する者Cが、本当の相続人であるか明らかでない場合、借主(債務者)Bは債権者が誰であるか確知することができないため、債権者不確知を理由に供託をすることができます。

※ テキスト+問題集P252枠内「●供託原因」のBに該当。
 P252の表「▼供託の可否(事例)」参照。


正解  4


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