借主の退去及び残置物の所有権の放棄に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1 賃貸借契約書に「借主が契約終了後1ヵ月以内に退去しない場合には、貸主は鍵を交換することができる。」という規定がある場合、貸主は、借主が契約終了後1ヵ月以内に退去しないときは、鍵を交換することができる。 2 借主から退去前に取得した「借主は退去後の残置物については所有権を放棄する。」という念書がある場合、貸主は、借主が粗大ゴミを残して退去したときは、これを処分することができる。 3 賃貸借契約書に「借主が賃料を滞納した場合には、貸主は鍵を交換することができる。」という規定がある場合、貸主は、借主が賃料を滞納したときは、鍵を交換することができる。 4 賃貸借契約書に「借主が無断で1ヵ月以上不在のときは、契約が解除され、借主は室内の遺留品について所有権を放棄する。」という規定がある場合、貸主は、借主が長期不在となったときは、室内の遺留品を処分することができる。 |
1:×(不適切である) 「借主が契約終了後1ヵ月以内に退去しない場合には、貸主は鍵を交換することができる。」という契約書の規定は、公序良俗に反して無効であり、貸主は鍵を交換することはできません。 ※ テキスト+問題集P266・267「(2)鍵の交換」参照。 |
2:○(適切である) 「借主は退去後の残置物については所有権を放棄する。」という念書があっても、借主の承諾または法的手続きがなければ、残置物のすべてを処分することはできません。 ただし、粗大ゴミの処分については借主の任意の承諾があるといえるため、「粗大ゴミ」であれば処分することができます。 ※ テキスト+問題集P267「(3)残置物の所有権の放棄」参照。 ※ 実際には粗大ゴミかどうかの判断が難しいことも多いですが、一般的にも、誰からみても粗大ゴミであれば処分することは許されるといえるでしょう。 |
3:×(不適切である) 「借主が賃料を滞納した場合には、貸主は鍵を交換することができる。」という契約書の規定は、公序良俗に反して無効であり、貸主は鍵を交換することはできません。 ※ テキスト+問題集P266・267「(2)鍵の交換」参照。 |
4:×(不適切である) 契約書に「借主が無断で1ヵ月以上不在のときは、契約が解除され、借主は室内の遺留品について所有権を放棄する。」という規定があった場合であっても、借主が長期不在になっただけでは、勝手に室内に入って遺留品を処分することはできません。 ※ テキスト+問題集P267「(3)残置物の所有権の放棄」参照。 |