ガイドラインに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1 借主は、退去時に壁のクロスの経年劣化及び通常損耗分の張替えについて、ガイドラインで示されている下記のグラフに従い張替え費用を負担しなければならない。 2 経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能な場合があり、このような場合に借主が故意・過失等により設備等を破損し、使用不能にしてしまった場合には、従来機能していた状態まで回復させるための費用を借主が負担すべきときがある。 3 借主に特別の負担を課す特約については、その特約をする必要性があり、かつ、暴利的ではない等の客観的、合理的理由があり、借主が、特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことを認識したうえで、特約による義務負担の意思表示をすることが、その有効性の要件となる。 4 新築から3年経過後に入居し、選択肢1のグラフの始点を50%と決定していた場合で、入居2年後の退去の際、壁のクロス(耐用年数6年)に借主が修理費用を負担すべき損傷があった。その張替え費用が6万円である場合、このグラフによれば借主が負担すべき金額は1万円である。 |
1:×(不適切である) クロスの経年劣化及び通常損耗分の張替えについては、貸主の負担とされています。 本肢は、これを借主の負担としている点が、不適切です。 ※ テキスト+問題集P356「(2)特約について」、P358「(2)原状回復」参照。 ※ なお、問題文にあるグラフを使うのは借主が負担する場合であり、貸主が負担する場合にはグラフを使いません。選択肢1では借主に負担がないため、グラフを使いませんが、選択肢4の問題文には「借主が修理費用を負担すべき損傷があった」と書かれているため、選択肢4ではグラフを使います。 |
2:○(適切である) 本肢の通りです。 ※ テキスト+問題集P361の下から3行目以降〜P362の3行目までを参照。 |
3:○(適切である) 本肢の通りです。 ※ テキスト+問題集P356枠内「●借主に特別の負担を課す特約の要件」参照。 |
4:○(適切である) 張替え費用が6万円で、グラフの始点を50%と決定していたのであるから、借主が入居した時のクロスの価値は、3万円(6万円×50%)です。そして、グラフにおいて、耐用年数6年の線(経過年数6年で、%がゼロ近くになる腺)を50%のところまでシフトさせると、入居から3年で残存価値なくなることがわかります(なお、正確には残存価値1円となります)。 単純に言えば、入居時のクロスの価値3万円を3年で割ることになるので、1年で1万円分の価値が減少していると言えます。 入居後2年に退去した時点で、クロスの価値は残り1年分(=1万円)であるといえます。、 よって、入居2年後の退去の際に借主が負担すべき金額は1万円です。 ※ テキスト+問題集P362・363「(2)新築等から数年が経過している場合」参照。 |