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賃貸不動産経営管理士試験の傾向と対策、過去問解説 

平成30年度賃貸不動産経営管理士試験問題

問13


 住宅の賃貸借契約の当事者が死亡した場合の法律関係に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア 貸主が死亡し、相続人が複数いる場合、遺産分割が成立するまでの間、借主は賃料の支払を拒むことができる。

イ 貸主が死亡し、相続人が複数いる場合、相続開始から遺産分割が成立するまでの間に生じた賃料は、遺産分割により賃貸物件を相続した者がすべて取得する。

ウ 借主が死亡し、相続人が複数いる場合、遺産分割が成立するまでの間、貸主は各共同相続人に対して賃料全額の支払を請求することができる。

エ 借主が死亡し、相続人がいない場合、事実上夫婦の関係にある者が同居しているときは、その同居者が借主の地位を承継することができる。

1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、エ
4 ウ、エ

問13解説


「相続」に関する問題です。
テキスト+問題集のP212〜214参照)

<本問の解答方法>
 過去問(平成29年度試験・問16)を解いていれば、ウとエが正しい記述であると判断できるはずです。
 そこで、消去法により、誤っているのはアとイだろうと判断して解答します。


ア:×(誤っている)
 貸主が死亡し、相続人が複数いる場合で、遺産分割が成立する前であっても、借主は賃料の支払を拒むことはできません。

※ テキスト+問題集P212「(1)相続人がいる場合」、枠内「●貸主の相続人が複数いる場合の賃料の取扱い」のA参照。

イ:×(誤っている)
 遺産分割までの間に発生する賃料は、各共同相続人がその相続分に応じて取得します。
 賃貸物件を相続した者が賃料のすべてを取得するわけではありません。

※ なお、複数の相続人が共同して相続することを、「共同相続」といいます。
※ テキスト+問題集P212枠内「●貸主の相続人が複数いる場合の賃料の取扱い」のA参照。

ウ:○(正しい)
 借主が死亡し、相続人が複数いる場合、貸主は各共同相続人に対して、賃料全額の支払いを請求できます。

※ テキスト+問題集P213「(1)相続人がいる場合」参照。

エ:○(正しい)
 借主が死亡し、相続人がいない場合、「事実上夫婦の関係にある者」がその借主と同居していたときは、その同居者が借主の地位を承継することができます。

※ テキスト+問題集P214「(3)同居人による借主の地位の承継」参照。
※ なお、試験問題では「事実上夫婦の関係にある者」のことを、「内縁の配偶者」と表現することもあります。
 

正解  1


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