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賃貸不動産経営管理士試験の傾向と対策、過去問解説 

平成30年度賃貸不動産経営管理士試験問題

問8


 賃貸不動産の管理受託契約に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

1 賃料等の受領に係る事務を目的とする管理受託契約においては、履行期に関する特約がない場合、受託業務の履行と報酬の支払とが同時履行の関係にある。

2 委託者が死亡した場合、管理受託契約に特約がなくとも、相続人が管理受託契約の委託者となり、管理受託契約は終了しない。

3 受託者たる管理業者は、委託者の承諾を得ずとも、必要があれば管理業務を再委託することができる。

4 管理受託契約は、請負と異なり、仕事の完成は目的となっていない。

問8解説


「管理業務の受託(管理受託方式)」に関する問題です。
テキスト+問題集のP172~P175参照)


 1:×(不適切である)
 報酬は後払いが原則です。報酬を受けることができる場合でも、特約がなければ、受託者(受任者)たる管理業者は、受託業務を履行した後でなければ報酬を請求することができないとされています。そのため、「受託業務の履行と報酬の支払いとは同時履行の関係にない」といえます。

※ テキスト+問題集P173・174「(1)報酬請求権」参照。

 2:×(不適切である)
 委託者(委任者)が死亡した場合、管理受託契約(委任契約)は終了します。

※ テキスト+問題集P175の表「▼委任契約の終了事由」参照。

 3:×(不適切である)
 受託者(受任者)たる管理業者は、委託者(委任者)たる貸主の承諾を得なければ、原則として管理業務を第三者に再委託することはできません。
 再委託することがやむを得ない場合には再委託が許されることもあり得ますが、「必要があれば」再委託できるわけではありません。

※ テキスト+問題集P173「(2)自己執行義務(復受任者)の選任」参照。

 4:○(適切である)
 以前(賃貸住宅管理業法の制定前)は、管理受託契約の賃貸管理は、委任または準委任契約の関係にあるとされていました。委任契約は、仕事の完成を目的とした契約ではありません。

※ テキスト+問題集P172「@管理受託契約の性質」、及びP173「(3)請負契約との違い」参照。
※ 現在は、管理受託契約は、委任契約、請負契約、または、委任契約と請負契約との混合契約のいずれかの性質を有するとされてます。

正解  4


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