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賃貸不動産経営管理士試験の傾向と対策、過去問解説 

平成30年度賃貸不動産経営管理士試験問題

問15


 賃貸借契約の特約の有効性に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。

ア 賃貸借の期間内に建物が競売により売却され、その所有権が他の者に帰属した場合に賃貸借契約が終了する旨の特約は、無効である。

イ 賃貸借の更新について合意が成立しない場合は賃貸借契約が期間満了と同時に当然に終了する旨の特約は、有効である。

ウ 借主が貸主の同意を得て賃貸建物に設置した造作について、建物明渡し時に買取請求権を行使することができない旨の特約は、有効である。

エ 振込みにより賃料を支払う場合の振込み手数料を貸主負担とする旨の特約は、無効である。

1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、エ
4 ウ、エ

問15解説


「建物賃貸借の特約の有効性」に関する問題です。
テキスト+問題集のP194・195、P188、P169参照)

<本問の解答方法>
 過去問(平成28年度試験・問13)を解いていれば、イは不適切な記述であり、ウは適切な記述であると判断できます。そして、借主に有利な特約は有効なはずだから、エは不適切な記述であろうと判断できます。
 そこで、消去法により、適切なのはアとウだろうと判断して解答します。


ア:○(適切である)
 「賃貸借の期間内に建物が競売により売却され、その所有権が他の者に帰属した場合に賃貸借契約が終了する」旨の特約は、法定更新等に反する特約であり、借主に不利な特約であるため、無効です。

※ テキスト+問題集P194・195「(2)法定更新@(更新拒絶の通知がない場合)」参照。

イ:×(不適切である)
 「賃貸借の更新について合意が成立しない場合は賃貸借契約が期間満了と同時に当然に終了する」旨の特約は、法定更新に反する特約であり、借主に不利な特約であるため、無効です。

※ テキスト+問題集P194・195「(2)法定更新@(更新拒絶の通知がない場合)」参照。

ウ:○(適切である)
 造作買取請求権を行使することができない旨の特約は、有効です。

※ テキスト+問題集P188「(1)造作買取請求権の行使」参照。

エ:×(不適切である)
 特約は原則として有効です。借地借家法により、借主に不利な特定の特約は無効となることはあります。
 本肢のように賃料の振込み手数料を貸主負担とする旨の特約は、借主に有利な特約であり、有効です。

※ 特約の基本的な考え方については、テキスト+問題集P169「(3)特約」参照。


正解  2


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