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賃貸不動産経営管理士試験の傾向と対策、過去問解説 

平成30年度賃貸不動産経営管理士試験問題

問22


 賃料未払の借主に対する明渡しに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 明渡しの強制執行を行うための債務名義となるのは、判決における判決書のみであり、裁判上の和解調書は債務名義とならない。

2 強制執行を申し立てるに当たって必要となるのは、債務名義のみである。

3 未払賃料を支払うことを内容とする判決書は、建物明渡しを求める強制執行の債務名義となる。

4 賃貸借契約書に、「賃料を滞納した場合には、貸主あるいは管理業者は鍵を交換することができる。」との約定があっても、貸主は、建物明渡し前に借主の外出中に無断で賃貸建物の鍵を交換した場合、法的責任を問われることがある。

問22解説


「賃料未払の借主に対する明渡し」に関する問題です。
テキスト+問題集のP276・277、P266・267参照)

<本問の解答方法>
 テキストを読み、過去問(平成28年度試験・問22)を解いていれば、選択肢4が正しい記述であると判断できるはずです。
 試験当日は、選択肢1〜3の記述の正誤がわからなくても、自信をもって解答用紙の「4」にマークをつけて、次の問題に進みましょう。

<この問題から得られる教訓>
 選択肢1〜3の正誤を考えることに時間をかける必要はありません。一気に選択肢4まで読み進めましょう。

 1:×(誤っている)
 裁判上の和解調書は債務名義となります。

※ テキスト+問題集P276の1つ目の※印を参照。

 2:×(誤っている)
 強制執行を申し立てるに当たって必要となるのは債務名義だけでなく、その他の添付書類も必要です。
 また、強制執行は、原則として、執行文の付された債務名義の正本に基づいて実施するため、執行文が付与されていることも必要といえます。

※ テキスト+問題集P277「(2)強制執行の実施」参照。

 3:×(誤っている)
 「未払賃料を支払う」ことを内容とする判決書は、「金銭の支払い」を求める強制執行の債務名義となりますが、「建物明渡し」を求める強制執行の債務名義とはなりません。

※ テキスト+問題集P276の1つ目の※印を参照。

 4:○(正しい)
 賃貸借契約書に、「賃料を滞納した場合には、貸主あるいは管理業者は鍵を交換することができる。」との約定がある場合でも、貸主は、借主に無断で賃貸建物の鍵を交換すれば、法的責任(損害賠償責任といった民事責任や、器物損壊罪といった刑事責任など)を問われることがあります。

※ テキスト+問題集P266・267「(1)自力救済の禁止」及び「(2)鍵の交換」参照。


正解  4


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